今日は何の日
世界自閉症啓発デー (4月2日)
2007年(平成19年)に開催された国連総会において、カタール王国王妃の提案により、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」とすることが決議され、全世界の人々に自閉症を理解してもらう取り組みが行われるようになった。わが国でも、世界自閉症啓発デー・日本実行委員会が組織され、自閉症をはじめとする発達障害について、広く啓発する活動が行われている。具体的には、毎年、世界自閉症啓発デーである4月2日から8日までを発達障害啓発週間として、自閉症をはじめとする発達障害について知ってもらい、理解されることは、発達障害の当事者だけでなく、誰もが幸せに暮らすことができる社会の実現につながるものとし、シンポジウムの開催やランドマークのブルーライトアップ等の活動を行っている。ASD(自閉症スペクトラム障害)といわれる発達障害は、相手の言葉に込められた意図が理解できず、言葉を額面通りに受け止め、その結果、相手との意思疎通が図れず他人とのコミュニケーションがうまく取れない場合がある。具体的な例を挙げると職場で上司から「この書類をいつでも良いから作成しておいてくれ」と頼まれ、本人は「『いつでも』ということはいつでも気が向いた時で良いのだな。」と受け止め、全く手を付けず放置していると、上司から「何故、まだやっていないんだ」咎められ、本人は「いつでも良いからと言ったじゃないですか?だからまだやっていないんです。」と答えると激怒され、本人は何故、怒られるのか理解できないといったケースや家族から「浴槽に水を入れているので見ていてくれ」と頼まれ、水を溢れさしてしまい家族に叱られると、「水を見ていてくれと言われたので見ていた。」と答え、そのことについてやはり激怒され、その時に初めて「水を見ていてくれというのは一杯になりそうになったら水を止めておいてくれ」という意味が込められていることを知ったというケースなど曖昧な表現を理解することが苦手なところがある。こういった場合、「何日までに仕上げてくれ」や「水がここまで来たら止めておいてくれ」と言った期限や目安を付けた具体的な指示が必要である。また、感覚過敏な人もおり、特定の音や人の話し声などが極端に苦痛に感じたり、太陽の光が極度に眩しく外出もできないなど、様々な特性を持った人がいる。更に、得手不得手が極端なところもあり、生きづらさを感じている人もいるようである。そのため成人になってから、二次障害でうつ病などの心の病を引き起こすケースもあり、問題となっている。